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技術情報2025/10/30
MIRAIZ設計事業グループでは、お客様からのご依頼により設計物の海外での製作を請け負っております。 MIRAIZホームページ 製作/プロセスフロー https://www.miraiz21.co.jp/architect_g/production/
前回のブログで、輸送に使用するオープントップコンテナについてご紹介しました。 今回はそのコンテナを運ぶ輸送の流れについてご紹介したいと思います。
皆様はコンテナを山積みにして海をゆく船を目にしたことがあるでしょうか? コンテナを専用に輸送する船・コンテナ船です。
🌏 海外コンテナ輸送の概要と実務の流れ コンテナ輸送とは、国際規格で統一された金属製の箱(コンテナ)に貨物を詰め、船舶・鉄道・トラックなどを組み合わせて輸送する方法です。1950年代にアメリカで始まったこの輸送方式は、わずか70年ほどで世界の物流の主流となり、現在では2万TEU(20フィートコンテナ換算)を超える超大型コンテナ船が世界中の港を行き来しています。 コンテナの規格はISO(国際標準化機構)により統一されており、サイズ・形状が世界共通であるため、積み替えや荷役作業が効率化され、港湾設備や輸送インフラの整備も進みました。これにより、コンテナ輸送は大量・長距離・高頻度の国際物流において不可欠な手段となっています。 🛳 コンテナ輸送の実務フロー(中国大連 → 日本) 以下は、弊社が中国大連の製作工場から日本国内の納品先まで行っているFCL(Full Container Load)輸送の一例です。 ① コンテナ予約と輸送計画 輸出者である中国の製作工場は、フォワーダー(乙仲)を通じて船会社にコンテナの予約を行います。船会社は定期的なスケジュールでコンテナ船を運航しており、納期に合わせて船便を選定し、貨物のサイズや数量に応じてコンテナの種類(例:40フィートオープントップ)と本数を決定します。予約は通常、出荷の2〜3週間前に行われ、船名や出港日が確定します。 ② コンテナ搬入と点検 予約された空コンテナは工場に搬入され、貨物の積載前にコンテナの外観・内部の破損や異常がないかを点検します。ここで異常が見つかった場合は、船会社に報告し交換を依頼する必要があります。点検を怠ると、後に破損の責任が不明確となり、修理費を請求されるリスクがあるため、非常に重要な工程です。
③ 貨物の積載と固定 貨物はパレットに積載し、角材やベルトでしっかりと固定されます。弊社が扱う貨物は複雑な形状のものが多いため、梱包設計が重要です。荷崩れを防ぎ、輸送中の振動や衝撃から貨物を守るため、養生材を使用し、効率的な積載とスムーズな荷降ろしを考慮した配置が求められます。
④ コンテナ封印(シールの取り付け) 積載完了後、コンテナの扉を閉じ、船会社から支給されたシール(封印)を取り付けます。シールには番号が印字されており、輸送中に開封された形跡がないかを確認するための重要な管理手段です。税関検査などでシールが解除された場合は、新たなシールが取り付けられます。
⑤ 港への搬入と通関 コンテナは港のコンテナヤード(CY)へ搬入され、船会社に引き渡されます。搬入はCY CUT日(搬入締切日)までに完了している必要があり、同時に輸出通関も済ませておく必要があります。船が到着すると、ガントリークレーンと呼ばれる大型重機でコンテナが船に積み込まれます。
⑥ 海上輸送と揚げ地での対応 コンテナ船によって海上輸送され、揚げ地(東京港・名古屋港など)に到着後、同様にガントリークレーンで荷下ろしされます。輸入通関が完了すると、納品スケジュールに合わせてCYからコンテナを引き取ります。CYでの保管には「フリータイム」が設定されており、期間を超えると「デマレージ(延滞料)」が発生します。
⑦ 陸送と納品 コンテナは「シャーシ」と呼ばれる台車に載せ、トレーラーで納品先まで陸送されます。弊社では基本的に「車上渡し条件」で納品しており、荷卸し作業はお客様の手配となります。納品時にはシール番号を確認し、輸送中に開封されていないことを確認します。
コンテナはこのような流れで海を越え、陸を走り、遠く海外から日本まで運ばれます。 途中、様々な手続きが必要であり、たくさんのプロの担当者や専門業者の手を経ています。 貨物を安全にお客様ご希望の納期に合うように輸送するには、それぞれの過程で丁寧に状況を確認することが重要と感じます。 今回はコンテナ輸送についてご紹介しましたが、コンテナでは対応できないような大型であったり、特殊な形状の貨物である場合は、コンテナ船ではなく、在来船によるチャーター輸送での対応が可能です。 MIRAIZの製作チームは、海外・国内の協力会社と連携し、設計から製作まで一連の流れで対応できることが 弊社の強みとなっており、お客様の様々な要望に応えられよう日々取り組んでいます。 弊社の海外製作業務に関してご興味がございましたら、お気軽にお問合せくださいませ。 設計事業グループ/岡田 TECHNICAL ENGINEERING GROUP(設計事業グループ)
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