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BLOG2025/08/05
本社設計の北村です。 この会社に入社してから、気が付けば三十数年の月日が流れました。 振り返れば、入社前に中学・高校でドラフターやT定規を使って 図面を描いた程度で、機械設計の世界はまるで未知の領域でした。
そんな私は、幼いころの記憶が、今も自身の中にあります。 父がまだ元気だったころ、私はよく父の仕事現場について行くことがありました。 父は電気工事の職人で、さまざまな現場を渡り歩いていました。 今や誰もが知るあのテーマパーク、開業前に電気工事に携わっていたという話を 聞かされ、今ではちょっとした自慢話です。
そんな幼少期を過ごした私は、いつしか「電気関係の仕事」か、 あるいは「鉄道関係の仕事」と漠然とした憧れを抱くようになりました。 親戚に町工場を営む人もいて、作業場の片隅で見たボール盤や旋盤などなど・・・ 当時は、アナログの機械でしたが、子どもの自分には、とても魅力的に映りました。
大人から、危ないからと触らせてもらえなかった中で、 唯一万力だけはこっそり触らせてもらい、 指を挟んで兄弟で遊んだことが懐かしい思い出です。
やがて時は流れ、私も社会に出て、最初は、電気のシーケンス設計に携わる 仕事をする様になっていました。
その後、いくつもの出会いとご縁が重なり、現在のMIRAIZで働くこととなりました。 子どものころ、社会科の授業で見た製鉄所の映像。 真っ赤に溶けた鉄 それを間近で作業する仕事・・・ そのときは、「こういう仕事だけは自分には向かない」と強く思ったものです。
けれど今、まさにその製鉄所の仕事に日々向き合い、 設計者として歩み続けている自分がいます。 人生とは本当に不思議なもので、幼少のころ製鉄の仕事が、「大嫌い」と思っていた世界が、 今では自分の職業となっています。「好き」が「仕事」になるとは限らず、 「嫌い」と思ったことがいつしか自分の生きる道になることもある。 その意外性こそが、長い人生で醍醐味だと 勝手に自分に言い聞かせています。
これまでの歩みに支えてくれた家族や仲間たち、様々な縁に、感謝の気持ちを忘れず、 設計者として精進していきたいと思います。
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