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冷媒ガスの変遷による機器導入の流れ

冷媒ガスの変遷による機器導入の流れイメージ 技術情報2025/09/18

昨今、体温を超えるほど、日本の猛暑が続き、エアコンや冷蔵・冷凍庫は

私たちの生活に欠かせないものとなりました。

    では、その機器を動かす見えない冷媒ガスに、地球環境を守るための長い歴史があることをご存知でしょうか。

    かつては便利で高性能だった冷媒ガスも、環境破壊の原因となることが次々と判明し、その都度、新しい世代へと進化してきました。

    製鉄所内でも環境を配慮した冷媒ガス仕様への冷凍機器更新が見受けられます。

     

    新規の機器導入になれば、付帯配管の設計も必要となります。

    しかし、既存の機器や配管が残る環境下で新たな配管ルートを検討するには、

    高度な設計力と手間が求められます。

    MIRAIZでは、こうした課題に対し、既存設備の点群データを自社で収集・解析し、

    配管モデルの作成からNavisworksによる干渉確認までを一貫して対応

    現場の複雑な状況にも柔軟に対応し、設計精度と施工効率の両立を実現しています。

    様々な設計ご依頼にお応えできる体制を整えておりますので

    お気軽にご相談ください。

     

     

    下記に冷媒ガスについて調べた内容をまとめてみました。参考までにご覧ください。

     

    冷媒ガスの世代別変遷:環境問題への対応史

    1️⃣ 第一世代:CFC(クロロフルオロカーボン)  構成: 炭素・フッ素・塩素  特徴: 非常に安定しており冷却効率も高いが、オゾン層を強力に破壊する致命的な欠陥が判明。1995年末までに生産が中止されました。

    2️⃣ 第二世代:HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)  構成: 炭素・フッ素・塩素・水素  特徴: CFCよりは環境負荷が低いものの、やはり塩素を含むためオゾン層破壊のリスクは残りました。モントリオール議定書に基づき、2020年に使用が禁止されています。

    3️⃣ 第三世代:HFC(ハイドロフルオロカーボン)  構成: 炭素・フッ素  特徴: オゾン層への影響はないものの、地球温暖化係数(GWP)が非常に高いことが新たな問題に。現在、先進国では2036年までに83%削減するという国際的な目標が掲げられています。

    4️⃣ 第四世代:HFO(ハイドロフルオレフィン)  構成: 水素・フッ素・炭素(不飽和構造)  特徴: GWPが極めて低く、オゾン層にも無害。HFCの約1/6という温暖化影響の少なさから、次世代の主流冷媒として注目されています。

    究極の選択肢:自然冷媒

    上記のような化学物質ではなく、自然界に存在する物質を冷媒として利用する動きも加速しています。これらは環境負荷が最も低いという最大の利点を持っていますが、それぞれに特有の課題も存在します。


    冷媒

    メリット

    主な課題

    アンモニアNH₃

    高効率・GWPゼロ

    毒性・腐食性による漏洩時のリスク

    二酸化炭素CO₂

    安全・GWP=1

    高圧運転が必要なため特殊な設備が必須

    炭化水素(例:プロパン)

    高効率・GWP

    高い可燃性による火災のリスク



    現在、日本国内の工場用冷凍機における自然冷媒の導入割合は、全体の約50%前後まで高まっています。

    コールドチェーンを支える冷凍倉庫や食品工場などで、環境保護への取り組みが進んでいる証拠です。

    日本政府も、2030年までにHFCの排出量を2013年比で25.1%削減する目標を掲げており、今後さらに自然冷媒や低GWP冷媒の導入が加速するでしょう。特にアンモニアとCO₂を組み合わせたハイブリッドシステムは、冷却効率と環境性を両立できるため、今後の主流となる可能性を秘めています。

    一方で、自然冷媒の中には可燃性や毒性を持つものもあり、安全を確保するためには、配管設計など専門的な配慮が不可欠です。

     

    設計事業グループ/田浦


    TECHNICAL ENGINEERING GROUP(設計事業グループ)

     

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